シャトー・ラフィット・ロートシルト

格付け第一級、ポイヤック

「ラフィットには魂が宿っています。優美で寛大で、柔和な魂です。ラフィットは大地を夢へと変化させます。ラフィットはハーモニー、自然と人とのハーモニー。つまり、優秀なヴィニュロン無くしては、何も生まれてきません」
エリック・ド・ロートシルト男爵

1815年、ギヨーム・ロートンは、早々と、シャトー・ラフィット・ロートシルトに次のような賛辞を残しています。「3軒(のプルミエ・クリュ)の中でも、極上のエレガンスと繊細さ、そして精気を備えたワインである。メドックでも最も優美な場所に位置するブドウ畑に数えられる。」1855年、万国博覧会を機会に制定された、かの有名な格付け。シャトー・ラフィット・ロートシルトは、格付け第一級の認定を得ています。

シャトー・ラフィット・ロートシルト 格付け第一級、ポイヤック

ヴィンテージ

  • ヴィンテージ 2015年

    • 91% カベルネ・ソーヴィニヨン
    • 9% メルロ

    ここ数年は例年のごとく、初冬は暖かく乾燥した天候が続き、1月も終わりに近づく頃、雨が降り始めるとともに適度な寒さが訪れる傾向にあります。萌芽は平年どおり4月初旬に始まりました。水分を十分に補充できる環境と温暖な天候に恵まれたことにより、ブドウは瞬く間に生育します。6月、開花は早期かつ均質に進み、収穫を待たずして有望ヴィンテージへの期待が高まりました。
    大海と河口は厳しい夏の暑さも和らげてくれました。水分ストレスは高めではありましたが、8月の降雨のおかげで果実着色に必要とされる冷涼さが補われ、結果、完璧な成熟を得ることができました。すべての条件が理想的にととのった中で収穫を迎え、各区画、ベストな状態で果実を収穫することができています。

    テイスティングコメント(ボトリング時):

    外観は極めて暗い色調、いまだ十分な若さを象徴する紫色の光沢。
    瓶詰めから数ヶ月しか経っていないワインにありがちな、まだまだ控えめな香り。すでにこの段階から上質な深みと高い複雑性を感じさせます。香りに関しては、樽香は完全に溶け込んでおり、新鮮なイチゴとタバコのノートが香ります。
    アタックにはかなりの力強さと同時にしなやかさがみられます。風味は昇り昇って… 極めてハイレベルなステージまでゆっくりと昇っていきます。
    アグレッシブな面は一切なく、完璧な調和を描きながら余韻の長い後味へと続きます。
    現時点ではこのラフィットに潜むポテンシャルのごくわずかしか堪能できません。あと数年の忍耐が求められます。

  • ヴィンテージ 2014年

    • 87% カベルネ・ソーヴィニヨン
    • 10% メルロ
    • 3% カベルネ・フラン

    2012年および2013年時点でも平年並みあるいはそれ以上に上昇していた地下水位ですが、11月から2月にかけて多めの降水量を記録したことで、今年も水位は十分に補給されていました。気温は平年を上回る数値で、人間と同じくブドウにとっても冬の気持ちの良い冷え込みが恋しいくらいでした。風のない、寒く乾燥した晴れの日が2週間ほど続くのは良いものです。とはいえ、自然はあやつれません!
    気温が高かったこともあり、萌芽は早めに迎え、花の時期は6月第1週にかけて均質に進みました。

    天候状況は我々ブドウ生産家にとって常に一番の気がかりです。衛生面も完璧な完熟ブドウの収穫をめざして、今年もチームで協力し合い、的確に作業を進めました。着色は7月末と8月15日以降の2期に分かれて広がりました。結果、同じブドウ樹でも房によって熟度の進み方に差が生じています。

    収穫時期には作業の選択を間違わないよう、「大道芸」さながらのテクニックを要しました。収穫スタッフ、選果スタッフには、ポイヤックのグランヴァンの原料となるに相応しい、「nec plus ultra(これ以上ない)」品質の赤ワイン用ブドウのみに選りすぐるよう、指示が出されました。

    テイスティングコメント(ボトリング時):

    濃厚な赤ガーネット色の美しい色調。
    複雑な香り。2014年らしい果実香。上質なフローラル系の香りも感じられます。トースト香がほのかに香りますが、樽香はすでにうまく溶け込んでいます。味わいに関しては、素晴らしく芳醇で、常にエレガンスを失うことなく、かつ力強い。ブラックベリーとカシスが味わいでも存在感を示しており、そこにラフィットのワインに頻繁に現れる、スミレ花やスギのノートが加わります。
    みずみずしく調和のとれた味わい。長い余韻。リッチ感と上品なフィネスとのバランスが見事。
    美味しく楽しめる熟成のピークに達するまで10年程度を要とするワインです。

  • ヴィンテージ 2013年

    • 98% カベルネ・ソーヴィニヨン
    • 2% メルロ

    非常に湿った寒い天候が続いた冬の影響で、ブドウ畑では作業の流れに大きなズレが生じました。萌芽は遅めで、花の時期も過去50年平均と比べて3週間の遅れを取りました。気まぐれな空模様が続き、花ぶるいや結実不良が発生し、収量は通常を下回ると予想されました。6月末になると天候は急変し、合の季節を経ることなく夏を迎えます。また、局地的に激しい雷雨に見舞われました(地区によって、7月27日および8月2日)。
    9月15日以降、「活動的」状況へと変化。雨天に晴天に、それまでの遅れの一部は取り戻せたとはいえ、熟度はなかなか高まりません。9月末になるとボトリティス菌が「爆発的」に発生する危機的状況に陥り、一層の緊張が走りました!こうなったらぶっつけ本番のレースです。収穫作業にあたるスタッフをとにかく大急ぎで確保しました。困難を極めた収穫でしたが、選果スタッフらの高い作業能力に助けられました。通常の赤ワイン用区画に関しては、ボトリティス菌の被害状況とファーストワインあるいはセカンドワインに使用するポテンシャルの有無を考慮して、収穫の手順に若干の変更が加わっています。

    テイスティングコメント(ボトリング時):

    ボトリング直後のグランヴァンをどう評価しろというのでしょうか。
    香りはとにかく閉じていて、厳しい表情というべきでしょう。味わいに関しては、即座に硬さを感じさせますが、中盤から後味にかけては芳醇さが増し、後味には上質な果実感とともに若干まだ主張の強い樽香が残ります。忍耐力を培いましょう!

  • ヴィンテージ 2012年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 91%
    • メルロ 8.5%
    • プティ・ヴェルド 0.5%

    ボルドー地方において、2012年は、細心の注意を要した天候状況に特徴づけられます。
    比較的温暖な冬を経て、春には多雨多湿な天候が続きました。特に4月はその傾向が顕著で、4月24日には雹・霰混じりの激しい雷雨に見舞われています。
    このような天候の下での受粉は困難で、収量低下が危惧されました。畑においてはいつにも増して入念な作業が必要とされました。
    6月および7月は、高温と多湿な天候が交互に訪れました。8月になると天候はようやく安定し、おかげでブドウ果実の熟度が高まりました。
    とはいえ、果実の熟し方は均質と言うには及ばず、9月末になるとシャトー専属スタッフチームによる一層入念な選果作業が行なわれています。

    テイスティングコメント(ボトリング時):

    香りは閉じており、しばらくすると果実香が広がりをみせますが、樽香が若干優勢です。味わいに関して、織り目は密で詰んでいます。試飲中盤では、確固たるバランスとまとまりが認められます。後味は、かなりの濃密さが感じられると同時に、タンニンは「軽く空気感あふれるというべき」仕上がりです!長くしっかりと残る余韻。

  • ヴィンテージ 2011年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 80% メルロ 20%

    2011年は異例の天候に見舞われたヴィンテージで、技術スタッフのノウハウを総動員し、常に緊張感を持って作業を進めました。
    春には極めて高温の日が続き、非常に早熟な年でした。年始の降水量は少なく、夏にはより多めの降水量がありました。ウドンコ病(ボルドー地方での発生はむしろ稀なブドウの病害)対策に悩まされました。その後も、収穫準備がようやく整い始めた9月1日、ポイヤック北部およびサンテステフのブドウ畑を雹・霰を含む重度の雷雨が襲い、少なからずスケジュールの変更を余儀なくされました。被害を受けた区画を第一に収穫。それでも、年の早熟傾向も相まって、ブドウ果実はその時点で既に申し分ない完熟状態でした!

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    深みのある濃い真紅の外観。
    濃厚な香り。赤・黒果実、ツゲのアロマ、各種スパイスのノートが特徴的です。
    非常に濃さのある味わいの、実に濃密なワインです。
    複雑な風味の後味が楽しめます。

  • ヴィンテージ 2010年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 87% メルロ 13%

    この年のブドウ栽培サイクルは、低温かつ比較的多湿な冬からスタートしました。萌芽は2009年より若干遅めの4月中旬に迎えます。4月は乾燥傾向で、日照量豊富な月となり、ブドウは理想的条件の下で生育しました。5月および6月には、雨天と晴天が交互に訪れます。6月初旬に気温が下がったことで、メルロの開花は乱れ、花ぶるいおよび部分的結実不良が発生しています。
    幸運にも、7月にはかなりの乾燥傾向(降水量20ミリメートル以下)が見られ、気温も比較的高かったことから、開花時の遅れを上手く取り戻すことが出来ました。8月および9月は、日中は適度に高温で、夜間は冷涼の乾燥した日が続きました。結果、ブドウはゆっくりと完璧な成熟を得ることが出来ています。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    濃さのある美しい色。
    味わいは揺るぎなく濃厚で、見事なストラクチュアと上質なタンニンが特長的。余韻は長く、後味にはスミレ花のノートを含みます。2010年ワインは実にバランス良く、エレガント。

  • ヴィンテージ 2009年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 82.5% メルロ 17% プティ・ヴェルド 0.5%

    この年、春は比較的高温で、むしろ多湿な天候に見舞われ、ブドウ栽培の年始は畑管理に手間の掛かるスタートとなりました。畑の状態を健全に保つための作業を入念に行ないました。
    6月以降、夏季を通じて安定した好天が続きました。その後は旱魃傾向となり、7月、8月、9月、それぞれ少量の雨に恵まれました。良質の日照、日中は猛暑とまではいかない暑さ。そして十分に冷涼な夜間。それにより、ゆっくりと果実成熟は進み、収穫開始は9月末へと引き延ばされました。天候条件は格別良好で、太陽のもと、歴史に残る成果を上げると期待させる収穫となりました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    黒果実およびリコリスを特徴とする、深みのあるブーケ。芳醇かつ丸みがあり、既に表現豊かな味わい。目の詰まった織りを感じさせ、力強さと活力があらわれます。若さゆえのあからさまなエネルギッシュさが見受けられますが、それでも既にエレガンスと複雑性が備わっています!

  • ヴィンテージ 2008年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 84% メルロ 15% プティ・ヴェルド 1%

    冬らしい冬を越えて迎えた春先には、幾度かの霜害を被り、監視体制のもとで栽培シーズンはスタートしました。開花・結実は量産と呼ぶにはほど遠く、慢性的高湿により病害虫の繁殖が助長されました。その後、さほど気温の上がらない夏季を経て、幸運にも9月は好天に恵まれ、収穫時期を遅めに設定することで、完璧に成熟したブドウを得ることが出来ました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    赤果実を基調とした、複雑で実直かつクリーンな香り。
    味わいに関しては、このワインの強固さとクラシックなスタイルが良くあらわれています。果実味、たっぷり豊かな要素、しなやかであると同時に、きめ細やかなタンニンが特長的です。

  • ヴィンテージ 2007年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 84% メルロ 15% プティ・ヴェルド 1%

    冬の間の豊富な降雨により、地下水位も適度に上昇し、時期早めの萌芽とともに、寒く湿った冬が終わりを迎えました。3月・4月の気温はかなり高めで、植物生育サイクルを促進しました。曇りがちで温暖な、波のない時期が8月まで続きました。幸運なことに、9月初旬からは安定した好天に恵まれ、ブドウは平穏に上質な成熟を得ることが出来ました。糖分、タンニンおよび果皮が完全に成熟するためには、開花から125日耐え忍ばなければなりませんでした。閏月のある年は通常より長めの植物生育サイクルと言われます。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    しっかりと熟した赤果実の香り。はじめは控えめで、徐々に馥郁とした豊かな香りと風味の広がりが見られます。エレガンス、優雅さ、いささか未だ控え目で、長い余韻を備えています。樽香は溶け込んでいます。

  • ヴィンテージ 2006年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 82% メルロ 16% カベルネ・フラン 2%

    それまで数年のヴィンテージと比較して、より寒く湿った冬に続いて、春には比較的温暖な天候が7月まで続いたことで、着色期は早めで、素晴らしい成熟が得られました。8月はより涼しい月でしたが、続く9月は、中旬の雷雨(収穫時期を結果早める要因となった)を除いては、豊富な日照量に恵まれました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    非常に暗く美しい色。香りは控えめで、第一次香につづいて、馥郁たる香りとかなりの濃密さが感じられます。口当たりは、非常に美しい骨組みを持ち、力強く、後味には上質なタンニンを備えた、上手く溶け込んだ樽香が認められます。

  • ヴィンテージ 2005年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 89% メルロ 10% プティ・ヴェルド 1%

    2005年も過去4年同じく、降水量不足に悩まされる年となりました。ただ、旱魃状態はかなり早期の5月から定着したことで、葉の茂り具合を自制することで、ブドウ樹は自ずと環境に適応することが出来ました。6月から7月の厳暑は8月になり次第に和らぎ、同時に夜間は冷涼な気温に恵まれたことで、ブドウは上質な酸味を保ったまま生育し、結果、果実成熟は中断されることなくゆっくりと進行しました。例外的といえる天候の1年でしたが、結果的には、健全な完熟状態の、瑞々しさを保ったブドウ果実を得るためには、理想的な天候だったと言えるでしょう。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    深みのある外観。香りは濃厚かつデリケートで複雑です。味わいに関しては、最初は非常に明瞭で率直な味わいで、徐々に芳醇さやボリューム感、素晴らしいまろやかさのニュアンスがあらわれます。後味にはかなりの力強さ、見事な余韻の長さ、高い凝縮性、緻密な風味があります。

  • ヴィンテージ 2004年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 90.5% メルロ 9% プティ・ヴェルド 0.5%

    降水量の多い冬と低気温の春を経て、6月、7月は暑く乾いた月となりました。8月はより穏やかで、9月に入るとかなりの好天に恵まれ、果実成熟はゆっくりと進み、収穫開始日は9月末まで遅らせました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    香りに関して、控えめでゆるやかに開きます。浅い砂糖漬け果実の香り。味わいは、アタックには芳醇な味わい、徐々にエレガントでコクのある、バランスのある豊かな風味へと変化を見せます。後味は余韻が長く、柔和で、絹のようなしなやかさがあります。

  • ヴィンテージ 2003年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 86% メルロ 9% カベルネ・フラン 3% プティ・ヴェルド 2%

    2003年ヴィンテージは、ボルドー地方のみならず、フランスにおいて、猛暑の年として記憶に残るヴィンテージです。

    8月には40℃を超す突然の熱波に襲われます。約2週間ほど猛暑の日が続きます。ブドウ栽培周期全体にわたって、降水量は極めて少量で(2002年10月から2003年9月の降水量555ミリメートル。平年値850ミリメートル)、それでも土壌は比較的低温に保たれていたため、ブドウ樹が水分欠乏に悩まされることもありませんでした。

    とにかく異例の天候状況で、畑での作業はそれを考慮した上で行ないました。除葉に関しては、果実を熱暑から守るため、故意的に制限して行ないました。

    幸運にも、土壌は水分を含んでおり、9月初旬から暑さも和らいだことで、最終段階まで果実は成熟を得ることが出来ました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    深みのある外観。香りに関しては、赤果実、とりわけブラックベリーを特徴とします。味わいは、豊かなアルコール分、深みがあり、極めて丸さのあるタンニンを含む芳醇な味わい。後味にはしっかりと長い余韻があります。

  • ヴィンテージ 2002年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 87% メルロ 9.5% カベルネ・フラン 3.5%

    冬は暖かく乾燥傾向だったため、萌芽は早期に迎えました。その後、開花時期には気温の低下が見られ、雨が続いたため、花ぶるいや部分的結実不良が起きています。6月初めの段階で、低めの収量が予想されていました。7月および8月の気温もやや低めでしたが、この年においては驚くほどのことではありませんでした。ただ、結果的には、ブドウの成熟や着色が中断されることもなく順調に進行します。収穫間近には申し分ない好天に恵まれました。9月は最高の天候で、雨はなく、晴れ続きで、北東の風により果実成熟が上手く促進されました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    非常に凝縮性の高い、コクのあるヴィンテージです。味わいもタンニンも濃密で、素晴らしいバランスと長い余韻を備えています。

  • ヴィンテージ 2001年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 86.5% メルロ 13.5%

    非常に多湿で温暖な冬を経て、早めの萌芽を迎えました。開花は例年どおりの時期に、均一に進みました。夏季には、暑い日と曇りの日が収穫時期まで交互に訪れ、涼しいくらいの7月に、暑い8月、続く9月は降雨を伴い再び涼しい日が続きました。このような天候条件の下、ブドウの成熟にはばらつきが見られましたが、収穫は好条件の下で行なうことが出来ました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    香りは、黒果実が特徴的な濃厚な香り。非常にエレガントかつ調和の取れた、力強く完熟したタンニンと極めてピュアな果実味を含み、上質な余韻を備えたヴィンテージに仕上がっています。

  • ヴィンテージ 2000年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 93% メルロ 7%

    平均を上回る総気温値と平年並みの降水量に恵まれ、生育スピードは早熟傾向の一年でした。5月末から6月初旬にかけて雨に見舞われ、「ベト病」の発生が見られましたが、栽培技術者らの緻密な管理の下、適確に対処を施しました。夏季終盤には好天に恵まれ、8月、9月は暑く乾いた天候が続き、結果、素晴らしい熟度のブドウが得られています。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    非常に深みがある外観で、紫かかった光沢が見られます。極めて優美で魅惑的なアロマを含み、味わいに関しては、時に力強く、フィネスを感じさせ、強固なタンニン、後味には驚くほど長い余韻があります。

  • ヴィンテージ 1999年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 74% メルロ 18.5% カベルネ・フラン 6% プティ・ヴェルド 1.5%

    これまで過去10年とほとんど変わらず、冬は穏やかで、それに続く春は温暖で、結果、開花時期も早めに迎えました。7月から8月中旬にかけて、晴れの日が少なく湿度の高い日が続き、ブドウ畑に壊滅的な被害を与えるカビとボトリティス菌の発生が懸念されました。幸いにも、8月15日から収穫の終わりまでは猛暑の日が続きました。この年の収穫は相当湿度の高い中で行なわれ、記録的速さで作業を進めました。果実は完熟状態で、収穫作業は予断を許さない状況。非常に危険な賭けでした。この年のワインには4品種を使用しています。これは珍しいことではありますが、1996年と同様の状況です。(カベルネ・フランとプティ・ヴェルドを同時にグラン・ヴァンに使用するヴィンテージは珍しい例と言えます。)

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    このワインは、木とスパイスのようなアロマをもち、構成のしっかりした味わいです。バランスがよく、優美で、よく熟した赤い果実を思わせる長い余韻があります。

  • ヴィンテージ 1998年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 81% メルロ 19%

    早めの萌芽に均質な開花、乾燥した春、8月の猛暑、素晴らしい出来の収穫を待ち望んで期待に胸を踊らせていただけに、収穫時期の湿った天候によって、その希望が無情に打ち砕かれるのではと懸念されました。取り越し苦労だったようです。本格的に雨が降り始めた時には収穫作業は既に始まっており、ブドウが雨に濡れることはあっても、果肉まで浸透することはありませんでした。奇跡と呼んでよいでしょう

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    初期のタンクで醸造工程が進められ、分析され、試飲を進めるその段階になると、不安な表情は満足そうな笑顔へと変わっていました。テロワールの力強さが反映されたヴィンテージで、色調は極めて暗く濃厚。アタックには樽香、果実、スパイスを感じさせます。この「98年もの」は長期熟成が可能で、コクがあり芳醇な味わいで、絹のようななめらかさと長く続く余韻を備えています。

  • ヴィンテージ 1997年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 90% メルロ 10%

    9月8日、ラフィットではメルロに最初のハサミが入りました。冬と春に理想的天候に恵まれたことで、このように早期に完熟状態を迎えています。一方で、夏は雨がちでした。幸いにも、1996年同様、9月は晴天に恵まれ、快晴の下で収穫を行なっています。

    この年の収穫は、ここ数年のラフィットにおいては異例の長期にわたっています。健全な状態のブドウに選りすぐる選果作業を入念に行ないました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    スパイシーなアロマと、なめらかで甘味感のあるまろやかさ、果実味豊かな甘美な後味を含んでいます。風味豊かなヴィンテージで、熟成スピードは、兄貴分に当たる1995年と1996年と比較すると、恐らく早めとなるでしょう。

  • ヴィンテージ 1996年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 83% メルロ 9% プティ・ヴェルド 8%

    1996年は、ブドウ栽培にとって最適な条件に恵まれました。ブドウの良質な初期生育が得られた後、8月は気温が低く雨がちで困難な月となり、造り手の士気の低下を招きました。幸いにも、9月にはふたたび晴天が戻りました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    このヴィンテージは3ステップを経て、結果、極めて豊かな表現を含む、ストラクチュアのある、複雑性の高いワインに仕上がっています。ワイン評論家の中には、96年ワインに、1953年ワインのエレガンスと1959年ワインの力強さを見出す人もいます。長期熟成向きの秀逸な風味のワインです!

  • ヴィンテージ 1995年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 74% メルロ 18% プティ・ヴェルド 8%

    一年を通して日照量豊富で、夏はかなり乾燥傾向の年でした。9月初旬に降った少量の雨は、ブドウの成長にとっては効果的な雨でした。収穫は平年どおりの日程で開始し、完熟ブドウが収穫出来ています。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    極めて秀逸なヴィンテージ。特にきめの細かいタンニンを含み、上質なエレガンス、味わいには優れた長い余韻。極めて長期熟成向きのワインであることは明らかです。

  • ヴィンテージ 1994年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 99% プティ・ヴェルド 1%

    収穫は申し分のない天候の下で行ないました。醸造工程の初期段階から、マセラシオン(果皮浸漬)の類い稀なる成果を見ても、ブドウは秀逸なポテンシャルを示していました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    優れた凝縮性を備えたワイン。美しく濃厚なガーネット色の外観。織り目の詰んだ、上手く溶け込んだタンニンを含む、強固なストラクチュア。長期熟成向きのワインです。

  • ヴィンテージ 1993年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 81% メルロ 11% カベルネ・フラン 8%

    雨天と晴天が交互に訪れる曇天の下での収穫でしたが、作業終盤には好天が続きました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    醗酵は早めに進み、それでも十分に凝縮したタンニンを含んでいます。濃い色調のワイン。上質で、控えめ、調和のとれた香り。バランスが良く極めて美しいワインで、長期熟成向き。高貴さのあるワイン。

  • ヴィンテージ 1992年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 73% メルロ 27%

    天候に関しては困難な年でした。収穫は平年どおりの日程で、時折雨が降る曇天の下での作業となりました。それでも、収穫終盤のブドウの状態は良好で、醗酵完了時のワインの状態は素晴らしく、実に嬉しい驚きでした。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    上質レベルのタンニンと、バランスのとれたストラクチュア。特徴豊かなアロマ、濃い緋色の美しい外観。スパイスと樽香を特徴とする香り。味わいは芳醇で、すでに飲み頃を迎えています。

  • ヴィンテージ 1991年

    • メルロ 64% カベルネ・ソーヴィニヨン 36%

    雷雨と晴天の時期が交互にやってくる天候で、収穫作業は極めて伝統的な状況の下で行ないました。ただ、すべてのワイナリーにおいて、何十年に一度という重度の凍霜害の被害を受けています。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    高い品質と濃厚さを備えた、驚きのヴィンテージです。極めて美しい色調。率直で明瞭な味わい。上質なストラクチュア。タンニンはこなれていて、軽快かつ良く熟しています。長い余韻を伴っています。

  • ヴィンテージ 1990年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 57% メルロ 30% カベルネ・フラン 13%

    この年、ブドウは豊作で、秀逸な品質の収穫が得られています。収穫時には絶好の天候に恵まれています。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    非常に濃い色調。カシス、ブルーベリー、スモーク香、レザー、各種スパイスのアロマを含む、複雑かつ上質な香り。ほのかなオークの香り。味わいに関しては、アタックは率直でエレガント。織り目の詰まったたっぷりのタンニン。完熟果実の風味。絹のようなテクスチュア。後味は余韻が長く、長期熟成ポテンシャルのあるワインです。

  • ヴィンテージ 1989年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 67% メルロ 33%

    造り手の誰もが経験したことのないほど早期に収穫を迎えたヴィンテージです。1893年以来の早さです。ブドウは8月下旬には熟し始め、驚くほどの甘みを得ました。たとえ早熟さが必ずしも上質ワインの誕生を意味するわけではないとしても、赤に関しては、このヴィンテージの秀逸性は造り手にとっては確信の持てるものであり、実際に醸されたワインは実に「美味」という形容がピッタリの仕上がりでした。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    この年、メドックでは、濃い色調の、リッチ感ある味わいで、肉づきも良く、なおかつ重さはない、1982年ワインに似たスタイルのヴィンテージが生まれています。

  • ヴィンテージ 1988年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 72% メルロ 28%

    ウドンコ病による甚大な被害に悩まされた6月、化学の進歩によって助けられました。続く夏と9月は、暑く乾燥した日が続き、ブドウの熟度上昇を促進しました。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    1988年ヴィンテージは、色の濃いカベルネとメルロで醸され、力強いストラクチュアを備えた、タニックな風味が特徴的です。

  • ヴィンテージ 1987年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 68% メルロ 27% カベルネ・フラン 3%

    暑く乾いた夏を経て、その後に降り始めた大雨は、収穫期の最後まで降り続きました。結果、収量は低めのヴィンテージです。それでも、最終的には申し分のない仕上がりのワインです。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    厳格な選果作業を行なったことが功を奏し、1987年ヴィンテージは、極めてバランスの良い、柔らかく果実味豊かなワインに仕上がっています。雨により熟度の高いブドウが生まれています。1986年や1988年ヴィンテージほどの凝縮感はありませんが、若い段階から楽しめるという利点があります。

  • ヴィンテージ 1986年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 69% カベルネ・フラン 16% メルロ 15%

    これまで5年間、立て続けに成功のヴィンテージに恵まれていたため、ボルドーの生産者やワイン愛好家は、1986年ヴィンテージの幕開けに際し、またもや秀逸ヴィンテージを望むのをおこがましく感じていたほどです。ところが、またもや現実となってしまいます。素晴らしい天候が続いた春を経て、少量雨があったとはいえ乾燥した夏の天候。良質の豊作収穫をもたらすよう、すべての要素が効果的に働きました。黒っぽい外観のワインで、重さはなく、それでもしっかり凝縮した風味を備え、タンニンによる骨格が印象的なワインです。

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    ひとことで表現するならば、1945年と1949年ヴィンテージを融合させた驚きの風味を備えたワイン。上質なストラクチュアと熟成の適性を備えた、長期熟成型ワインです。

  • ヴィンテージ 1985年

    • カベルネ・ソーヴィニヨン 65% メルロ 25% カベルネ・フラン 10%

    1985年ヴィンテージは、成功の再来を予告しています。1982年同様の天候状況で、7月から9月まで晴天続き。結果、同じような成果がもたらされました。ブドウの皮は厚く、凝縮されたなめらかなタンニンと弾けんばかりの香りを含みます。足りない要素のない、ビロードのようになめらかな、極めてブーケの豊かなワインに仕上がりました。もしかすると1982年ヴィンテージよりエレガンスでは勝っているかもしれません。9月の理想的な天候が、この1985年ヴィンテージを、桁外れに素晴らしいヴィンテージに仕上げています。1953年メドックを思い出させるヴィンテージです!

    テイスティングコメント(ボトリング時)

    若い段階でも実に美味で、熟成によって優美さを得ながらも、たちまち存分に堪能出来る状態に仕上がるでしょう。